BBQって?|アメリカの BBQの歴史と「Weber」ができるまで

BBQは毎週末、いつも誰かがどこかで楽しんでいますよね :)

野外でみんなでワイワイ肉を焼いて食べることを一般的に「バーベキュー」って言いますね。

そもそも「バーベQ」っていったい何なんでしょう?

「bbq→barbecueです。」っという話ではありません!

「バーベキュー」ってそもそもどういう意味?

言葉の由来を紐解くと、その背景がわかってきます。

バーベキューはとても原始的。

昔からどこの国にも似たような調理法があったようです。

その昔、コロンブスの時代、スペイン人が、新たな世界を探し求めて、西インド諸島にたどり着きました。

そこの原住民は煙の上がる火の上で肉を焼いていました。青い若木でやぐらを組んだラックに肉を乗せて、下から火で炙る方式です。

肉を焚き火を使って炙て丸焼きにする、これを原住民はBarbacot(バルバコット)」と言っていたそうです。

この時の燻製(スモーク)の主な目的は、肉の下処理、単純にハエから食べ物を守るためのもので、燻製の風味は副産物的に生じたものでした。

これをスペイン人は、”木製のフレームの上で下から炭を焚いてローストすること”、という意味でBarbacoa (バルバコア)」と言うよになったようです。

(また、フランス語で、”頭から尻尾まで”、という意味のbarbe-a-queue が由来との説もあるようです。食材として残さず調理してしまうという意味では、もっともらしい説ですよね。

その後、これらが転じてBarbecue(バーベキュー)」呼ばれるようになったそうです。今はさらに進化して「barbecue」→「bbq」で定着してますね。

日本で言うBBQは外で楽しむ焼き肉をイメージしますが、アメリカで言うバーベキューは、硬い肉を燻製(スモーク)しながら、100度前後の低温で数時間、あるいは、まる一日かけて「Low&Slow」(”低温でゆっくり”)で、じっくり蒸し焼きにする調理から発祥しています。

つまり、スモークしながらローストする調理が”いわゆる”BBQの起源なんですね。

BBQがアメリカに上陸


1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見。

アメリカ大陸の最初の植民地はノース・カロライナ州でした。ここがアメリカン・バーベキューの起源です。

アメリカの先住民のインデアンも火の放射熱で肉をローストする調理を行っていました。

カロライナ州のバーベキューの伝統は豚の丸焼きです。豚はこの時ヨーロッパ人、スペイン人が彼らと共に持ち込んだもので、ここでBBQとして融合しました。

もともとアメリカ大陸にはブタは居なかったんですね。

「ピット」?|焼く場所と食べる場所は別

1$札の「ジョージ・ワシントン」(任期:1789〜1797)が大のバーベキュー好きだったことで知られています。

彼がヴァージニア州で「Barbecue(バーベキュー)に参加した」との記録があります。

アフリカから奴隷として連れてこられたアフリカ人も、元々アフリカ本土では同じように肉を調理しており、バーベキューの調理法を知っていました。

優れた技術を持った調理人は、基本的にアフリカ人奴隷達でした。

冷蔵庫も無いほど昔です。保存が出来ず、かといってブタ一頭の丸焼きは一家族では食べきれません。

なので、仲間を集めて皆で食べていました。

そんな流れで、次第に、BBQは催しやお祝いがある時に外で大人数で楽しまれるようになっていったようです。

そこに肉好きなジョージ・ワシントンも参加したのでしょうかね。

気さくでいいですね。

当時は、外で土に穴を掘って火を焚き、その上で丸焼きを作っていました。この頃、こういったバーベキューの調理場/スモーカーを「ピット」と呼ぶようになったようです。

煙をモクモク上げて調理するバーベキューのローストは、室内ではなく野外で調理するもので、焼き上がったものを家の中で食べることが定着していったようです。

「バーベキューベルト」って!?|ブタ派?ウシ派?

バーベキューはノースカロライナ州を起点に広がっていきます。

西部へはメキシコ湾に沿って広まり(フロリダ州、アラバマ州、ミシシッピ州、ルイジアナ州、テキサス州)、北部へはミシシッピ川沿いに北上して広がって(ミズリー州、ケンタッキー州、ヴァージニア州)、次第にアメリカの各地へ伝わります。

これらの地域は「バーベキュー・ベルト」と呼ばれ、今でもバーベキューが非常に盛んです。

地域によって歴史があったんですね。

アメリカの南西部へは、BBQは、牛の放牧や家畜の文化と融合して発展していき、テキサス州、オクラホマ州へと広がりました。

テキサスのBBQは、カウボーイステーキのように、牛肉が定番である由縁ですね。

スペアリブもこの辺りでは、ポークスペアリブではなくビーフスペアリブが主流です。

テキサス州・ヒューストン沿いのレストランや街の装飾には、ウェスタンの伝統と共にバーベキューの歴史を感じられます。

19世紀真っ盛りの頃、テキサスの家畜の文化は最終地点のカンザスシティーにたどり着きます。

カンザスシティーが凄い!|「ピットマスター」って?

5$札の「アブラハム・リンカーン」(任期:1842〜1865)がバーベキューの歴史を変えたと言われているようです。

奴隷の解放が、かつて奴隷だったアフリカ系アメリカ人達を起業家に変えました。

BBQは硬くて安い肉でも柔らかく調理して食用にできる優れた技術でした。当初は、普通に調理したのでは食べられない部位の廃棄利用が目的で貧困層の食事として広がり、当時は野生のアライグマやオポッサムもバーベキューで調理して食べていたようです。

もともとバーベキューの調理技術を知っていた彼らは、ミシシッピー川を沿って北上し、バーベキューを商品として売り始めます。

カンザスシティーには元々多くのヒッコリーやオークが生息しており、また、家畜を蓄える土地がありました。

そこに、南部からバーベキューのノウハウを持った彼らが移り住み、アメリカンBBQの要素が出会ったのです。

これら、スモークウッド、家畜、調理技術の3つの要素が重なり合った結果、今に見られるバーベキューとして確立され、20世紀にはカンザスシティーはBBQのメッカとなりました。

この頃のバーベキューピットには、パンを焼く大きな煉瓦造りのオーブン(かまど)が、多く使われていたようです。

肉を一定温度で長時間焼くには、火のコントロールが重要で、これを管理してローストする技術を持つ人を”ピットマン”や、”ピットマスター”と呼びました。

ミズリー州のカンザスシティーで、Henry Perryがアメリカで初のバーベキューレストランをオープンしました。

肉を一定温度で長時間焼くには、火のコントロールが重要で、これを管理してローストする技術を持つ人を”ピットマン”や、”ピットマスター”と呼びました。

今日でも、熱狂的なBBQファンがカンザスシティーの歴史ある聖地巡りに、これらのレストランを訪れにきます。

バーベキューは決してカンザスで生まれた訳ではないのですが、20世紀には、「ザスシティー」=「バーベーキュー」と、ほぼ同義語として知られるまでに発展していったのです。

戦後成長とホームメードBBQ

後に、これを家で楽しみたいという人達が現れます。

第二次世界大戦後、アメリカ全土に高速道路が張り巡らされ自動車社会になりました。

交通の便が良くなったことで、戦地から帰還した兵士たちは郊外で広い庭付きの1戸建を持つようになり、裏庭でバーベキューを楽しむようになりました。

この時には、ピットマスターはお父さんになっていました。

当時、彼らはブロックを積み上げてオーブンを作り、それをバーベーキューピットにしていました。週末に日曜大工しながらBBQする父ちゃんのイメージですね。

Weberは「ウェバーさん」じゃなかった!

そう、ウェバーは「ブイ」でした。そしてウェバーのバーベキューグリルを作った人は「ウェバーおじさん」ではありません。「George Stephenさん」です。

当時はバーベキューグリルと言えば煉瓦造りのオーブンが一般的でしたが、空気の量によって火が燃え上がってしまう等、火力を調整することが非常に困難でした。

George Stephenさんも自前でブロックのピットを作りましたが、満足できず、良い方法がないか考えていました。

George Stephenさんは、当時、海に浮かせるブイを作っていたWeber Brothrs Metal Works社に勤めていました。

彼は金属製のブイのボール形の底の部分に目をつけて、これを使ってボール型の元祖ウェバーケトルグリルを発明したのです。何事も遊び心が必要ですね。

Weberの発明のポイントは、ドーム型の蓋を閉めることで熱気が効率よく循環し、かつ、ダンパーの穴で空気の量を調整出来るようにしたことでした。これにより、炎が燃え上がることも無くなり、火力を上手くコントロールすることができるようになりました。

彼の発明で、Weber社は大きな成功を納めました。

これがウェバーケトルグリルの始まりです。その後、デザインの修正や調整を繰り返し、今の形になったようです。

イリノイ州の工場では、現在も沢山のウェーバーグリルと、そのアクセサリーが製造されています。

丸型にカットされた鉄板を200〜500tのプレス機でボール型とリッド型にプレスして基板を作ります。プレス成形した後、ベントの穴を空けて、個々の溶接部品を取り付け、最後に、870℃の窯で焼いて表面のガラス加工・塗装を施して、強度とエナメル光沢を持った製品に仕上げます。

Weberは50年経った今でも、数あるグリルの中でもベストセラーの地位を誇っています。

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